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ストレスの歴史/タニカワ久美子の研究ノートvol.2

2021年12月30日更新

背景
1878 年に外的刺激の生体への影響を研究した Bernard や、1915 年にスト レスとアドレナリンの関係を示唆した Cannon などの生理学者
ストレスと健 康に関する今日の基盤が築かれた(小杉,2006)。
1930 年代後半
Selye(1956) が心身医学的な見地からストレス学説を唱えました。

よく会話で言うストレスは、本当はストレッサー

・ストレッサーとは、心身の適応能力に課せられる要求
・ストレス(stress)とは、心身の適応能力に課せられる要求から引きおこされる心身の
緊張状態
・ストレス反応 (stress reaction)は、ストレスから現れる心身症状

1967 年
Holmes & Rahe
社会的再適応尺度「ある出来事が起こった際に元の生活状態に復帰するためにどのくらいの時間を有するか」という体験するイベントの量と質の観点から、個々人のストレス反応などの違 いを説明するものとして広く研究が発展してきた

心理的ストレスが、個人と環境の間 において個人の資源に負荷をかけたり限度を超えて、その者のウェルビーイングを脅かす 時に生じると述べ、「対処資源」が個人のストレッサーに対する認知的評価とコーピング、 そしてストレス反応に影響する重要な要因であることを強調]
これまでの研究から、認知的評価やコーピングが個人の精神的健康に関連すると考え られている

Lazarus & Folkman (1984)
「ストレスを生活の変化と定義することで、生活上の慢性的な圧力や環境からの欲求、出来事の個人的な意味合いなどが無視されている」と指摘された。
個人の生活や環境に即したストレッサーと対処プロセスの解明が必要。
個人の器質=ストレッサーとなる刺激がある場合でも、抑うつや無気力状態などのストレス反応が生じる人もいればそうでない人もいる。
ストレッサー=個人と環境との出会い (encounter)
ストレスとは、個人の器質に、負荷をかけ過ぎて生活を崩して、しまった環境」とラザルスは定義しました。

Lazarus & Folkman (1984) 認知的対処ストレスモデルは、ストレス状態や精神的健康との関連が論じられてきた。

日本では、ラザルスの主要概念である「対処資源」が、研究の俎上に載せられることは少なかった。

「対処資源」とは、個人が特定の状況で、認知的評価を経てストレス対処する方略やコーピングは、対処資源によって影響を受ける
個人的資源=個人の属性や特性、能力、自己肯定感、自己効力感などで、内的対処資源とも呼ぶ。
社会的資源=ソーシャルサポートやソーシャルネットワークなどが含まれ、外的対処資源と呼ぶ。

高ストレスな時、対処資源が多ければ多いほど、よりポジティブな認知的評価が得られます。そして積極的な対処が促進され、ストレスが軽減され精神的健康へと繋がっていきます。

ストレス対処の検討方法

個人内の特性や捉え方のみならず、対処の可能性が左右される環境上の制約や環境的な資源もまた重要な要因です。

国外では、ストレッサーを管理する能力を向上させ、苦痛の軽減と健康の改善に結びつく外的(社会的)・内的(個人的)資源を特定してきました。
これらにはソーシャルサポート、楽観主義、統御感、自尊感情などが含まれる (Taylor & Stanton, 2007)。

個人のストレス対処資源を測定する尺度Coping Resources Inventory for Stress (CRIS; ストレス対処資源尺度)Matheny ら (1987)
この尺度は、Lazarus & Folkman (1984) の認知対処ストレス理論に基づき、
15 種類の対処資源
身体的健康
自信
緊張制御
構造化
自立性
ソーシャルサポート
自己開示、
受容
経済的自由
体力
ストレスモニタリング
問題解決
認知再構成
機能的信念、
社交力
全体的な対処資源の有効性などについて 280 項目(はい・いいえの二件法)の設問から測定する方法です。
Hammer & Marting (1985) は個人が持つ認知的(自尊心、他者への肯定的な見方、楽観性など)、情動的(感情処理など)、精神的(宗教、文化な
)、身体的(健康促進行動など)、社会的(ソーシャルサポート、ソーシャルネットワークなど)対処資源を扱った Coping Resource Inventory (CRI; 対処資源尺度)を開発した。
これらの尺度の特筆すべき点は、統一されていない方法・尺度で測定してきた個人内外のさまざまな対処資源を包括的・網羅的に測定することができるようになった。
そのため、「対処資源」にかかわる一個人のプロフィールをより明確に浮き彫りにし、個々人に応じた介入や予防につながるような基本的実態の把握を助けることもできると思われる点です。
3.本研究の目的と方法
これまで「対処資源」という概念や研究に関して改めて整理してみると、対処資源が
ストレスや精神的健康を検討する際に重要な概念であるということがわかった。

心理的ストレスを過程を測るのは、3つ

1つは、
ストレスがどの程度大変であるかを評価する『認知的評価』する方法があります。
2つ目は、
ストレスに対処する『コーピング』と言う方法です。
3つ目が、
ストレスを受けた結果として生じること『ストレス反応』ので3 部分に分類します。(Lazarus & Folkman, 1984)。

認知評価基準

ストレッサーがどの程度脅威的であるか(脅威性の評価)
どの程度自身に害を及ぼすものであるか(影響性の評価)
その人がどの程度ストレスに打ち勝てる、打たれ強いのか(コミットメントの評価)
その人が、ストレス状況下で、どこまで心身をコントロールできるか(コントロール可能性の評価)

1 次評価から、ストレッサーにどのように対処するべきか、どのような対処のための行動が取れるかが重要です。

コーピングの定義、「ストレスに対してなされる、認知的・行動上の努力」と定義される(Lazarus & Folkman, 1984)。

コーピングは、「積極的方略」と「消極的方略」の2種類

積極的方略=「問題焦点型コーピング」の自らの情動を調節する「情動焦点型コーピング」
消極的方略=問題から逃げたりあきらめたりする「回避・逃避型コーピング」

ストレス反応とは、ストレッサーの原因となる要求そのものやそれに伴う不快な情動をうまく処理できない過程で生じる、比較的持続的な不快な感情
など言います(Lazarus & Folkman, 1984)。

ストレス反応は3種類

1.身体的反応(例:動悸、頭痛、腹痛、下痢、嘔吐、疲労感、食欲の減退、睡眠障害など)
2.行動的反応(例:泣く、過激行動、引きこもり、拒食・過食など)
3.心理的反応(例:不安、イライラ、緊張、落ち込み、無気力、集中困難など)に分けられます。(文部科学省,2010)。

ストレス研究は、これまで認知的評価やコーピングスタイルをベースに発展してきました。

ストレス場面に対する「脅威性の評価」が高いと、ストレス反応が大きく表出されます。
そのため
「対処可能性の評価」を強く持つことで、ストレス反応を緩衝する効果があると考えられています。

ストレスになりうる物事に取り組む時に、回避しようとする大学生は、ストレス反応の「抑うつ・不安」、「不機嫌・怒り」、「無気力」が高いと言う論文があります。
そのため
認知的評価やコーピングは、個人のストレスに対する適応的状態や精神的健康を測定する上で重要な役割を持っていると考えられる。

問題点
対処資源に関しても検討することは、個人や集団の精神的健康の 保持・増進を目指すうえで重要
精神的健康や心理社会的機 能について、個人の限定的な要因(例:パーソナリティ、世界観、ソーシャルサポート など)の問題にのみ帰属するのではなく、個人内外の資源をより全人的・包括的な視点 で捉えることで、介入・予防に関する新たな知見を得ることができるのではないだろうか
「対処資源」に関する日本語による研究や文献はまだまだ限定的であるの が現状

目的
対処資源とその関連・周辺概念について改 めて整理するとともに、主に国外の対処資源に関する研究文献を精査することで、これ までの研究の動向と問題、今後の課題や展望を明らかにすること

参考文献:ストレスと精神的健康研究における「対処資源」の重要性,栗山ら,大阪大学大学院人間科学研究科紀要 47;245-263(2021)


文責:タニカワ久美子
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