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教師のメンタルヘルス/ストレス研究MEMOVol.20

2022年3月7日更新

教師などのヒューマン・サービス従事者のメンタルヘルス評価

バーンアウト(burnout) =Freudenberger(1974)によって提唱されたストレス反応の

バーンアウトの測定尺度(Maslach & Jackson, 1981)
1.ヒューマン・サービス従事者用(MBI-HSS:Human Service Survey)
2.教 師 用(MBI-ES: EducatorsSurvey)
3.それ以外の職種用(MBI-GS: General Survey1996)
の 3 種類
教師用にはまだ日本版がない。

日本版教師のバーンアウト尺度

MBI (Maslach & Jackson, 1981)を参考に作成された。この尺度は医療従事者が回答することを想定した項目から構成されている。
例えば
教師に実施するには、項目中の“患者”という言葉を“生徒”“同僚や生徒”“児童生徒や保護者”などに置き換えている。(伊藤,2000; 宮下,2012; 森・西村・宮下・奥村・北島,2013; 西村・森・宮下・奥村・北島,2013)
置き換え方は、その時々で異なる。教師用の定まった尺度として信頼性・妥当性が検証されていない。
理由
因子分析の結果が一貫していない。

信頼性の検証

心理尺度の信頼性は、古典的テスト理論にもとづくα 係数によって評価されることが多い。しかし日本版 MBI-ES にこの手法を適用するのは適切ではない。
<理由>
理由①
MBI を教師に実施した場合、“脱人格化”の項目がしばしば床効果を示すことが知られている(田中,2007)。
床効果=事前に予想された得点分布に対し、回答得点が低い得点ばかりで偏りっている。
床効果が生じれば、項目得点間の相関は低くなる。
項目得点をそのまま利用して α 係数を算出してもその値は高くならない。

理由②
古典的テスト理論では、症状のレベルごとに信頼性を評価することができない。とくに“脱人格化”が重いバーンアウト症状を評価するための尺度であれば、その信頼性は、症状の重い人が回答した場合にその程度をど
れだけ正確に識別できるかという観点から評価されるべきである

日本版 MBI-ES の信頼性を項目反応理論(item response theory: IRT)にもとづいた評価法

項目反応理論(こうもくはんのうりろん)とは、IRT (Item Response Theory; Item Latent Theory) とも呼ばれる。
評価項目群への応答に基づいて、被験者の特性(認識能力、物理的能力、技術、知識、態度、人格特徴等)や、評価項目の難易度・識別力を測定するための試験理論。
<項目反応理論の主な特徴>
個人の能力値、項目の難易度といったパラメータを、評価項目への正誤のような離散的な結果から確率論的に求めようとする点である。

IRTでは、能力値や難易度のパラメータを推定し、データがモデルにどれくらい適合しているかを確かめ、評価項目の適切さを吟味することができる。従って、試験を開発・洗練させ、試験項目のストックを保守し、複数の試験の難易度を同等と見なす(例えば異なる時期に行われた試験の結果の比較をする)ためにIRTは有用である。また、コンピュータ適応型テスト (Computerized Adaptive Testing) もIRTによって可能になる。

より古典的なテスト理論(素点方式、偏差値方式)と比べると、IRTは、試験者が評価項目の信頼性の改善に役に立つ情報を提供し得る、標本(受験者)依存性・テスト依存性にとらわれずに不変的に受験者の能力値とテスト項目の難易度を求められる、という利点がある。

欧米諸国では既に広く使用されているが、日本で試験にIRTを用いるようになったのは最近のことである。

項目反応理論=観測得点は背後に仮定された回答者の潜在特性と、項目の特性(困難度や識別力)によって確率的に決まると仮定されている。
<予測>
・観測得点が、その上限や下限に集中するという現象も、潜在特性自体の分布ではなく、尺度に含まれる項目の特性として表現することができる(芝,1991)。
・尺度の信頼性は、それが測定しようとする症状のレベルごとに評価される。
(そのため、床効果が生じるような高い困難度の項目から構成される尺度でも、重い症状を正確に識別できるのであれば、困難度が高いこと自体を理由として信頼性が低く評価されることにはならない。)
・評価方法は、尺度の信頼性をテスト情報量による。
(の尺度が測定しようとしている潜在特性値の推定精度に相当する。しかし潜在特性値でなく算出の容易な尺度得点(項目得点の和)を用いることが実際はほとんど。)

テスト情報量 + 項目反応理論にもとづく α係数(荘島・豊田,2002)を算出する日本版MBI-ES の信頼性を検証

<方法>
α係数を項目反応理論の枠組みで定義し直す。

α係数=信頼性の検討で最も頻繁に使われる指標。
・尺度の項目数が少なくなるとα係数が小さくなる。

ある10項目尺度の平均相関係数が0.2であればアルファは0.71。
項目数が25に増えると、アルファは0.86。

日本版 MBI-ES の妥当性の検討

他の尺度との相関関係から検証。
バーンアウトがストレス反応であるため、バーンアウトが進行した人ほど精神的健康も悪化している傾向にある。

“情緒的消耗感”や“脱人格化”と中程度以上の正の相関関係は、“個人的達成感”とは弱い負の相関関係があったと報告されている。General Health Questionnaire(GHQ)( 中 川・大坊,1985

出典:奥村ら,日本版MBI-ESの作成と信頼性・妥当性の検証,心理学研究2015,86(4),323-332

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