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教員のバーンアウト/ストレス研究ノートvol.5

2022年1月3日更新

文部科学省(2007)
教員の病気休職者のうち精神性疾患による休職者は、過去最高の4,675人(61.1%)
教員の精神的疲労感は、教育・医療・福祉等の対人援助職従事者が陥りやすい「バーンアウト」研究は蓄積されている。
バーンアウト=感情面で、相手への要求に応えようと努力し続け心身が疲弊してしまう情緒的消耗感(emotional exhaustion)であること。
特に教員の燃え尽き率は、他の対人援助職と比較して大きく問題になっています。

<バーンアウト研究>
対人サービス・援助職=感情労働(emotional work ; labor)相手に適切な心の状態を喚起させるように、自分自身の感情を引き起こしたり、抑制したりすることを要求する。感情規則という、職業によってふさわしいと考えられる場面に応じた感情があり、その職業的要請に従って、自らの感情や感情表出を意識的、無意識的に管理・コントロールすることが求められるのである。

<バーンアウトの問題点>
適切な感情労働からの逸脱は、労働者個人の問題として処理されるため、感情労働を遂行する上で困難があり、職務上の良好な人間関係が維持できない場合などには精神的負担感が増大する。
感情労働そのものに関する研究の蓄積は十分ではない。感情労働の精神的負荷を査定するにあたって、感情労働を可視化する必要性がある。対人援助職が直面する感情労働の多様な側面を明らかにすることが、現在求められる課題。

感情労働査定/教員のストレス状態の要因

財団法人労働科学研究所が実施した「教職員の健康調査」によると
・教育成果の見えにくさ
・児童・生徒の授業態度の変容
教員のメンタルヘルスの悪化は、結果的に教育実践の低下に結びつく可能性を示唆しており、教員のメンタルヘルスの維持・向上に対する支援は、教員個人、だけでなく学校教育全体の質的維持にかかわる急務である。

中学校教員の感情労働を査定するとのできる「中学校教員用感情労働尺度(EWST)」を作成し、その信頼性、妥当性について検討
第1因子の「表出操作」項目
“感情の不協和”、“患者への共感、ポジティブな感情表出”などの因子と対応している。職業によってふさわしいとされる感情のあり方(感情規則)に従い、自己本来の感情をある程度操作して意図的に表出する行為を査定しているため、本尺度は感情労働の中核部分を査定するのに適切な内容を持っている。

第2因子の「積極的感知」
相手の感情に反応しようと敏感になったり、理解しようと努力したりする項目。“クライエントへの感情への敏感さ”といった教員が日常的に行う生徒への情緒的配慮を反映。

第3因子「指導的表出」
生徒のより妥当な感情喚起を目的とする、怒りや厳しさの意図的な表出“ネガティブな感情表出”と共通する意味を持っていると考えられるが、必要に応じて自らの感情表現に教育的意味を内包させるといった教員特有の性質を強調するため、本尺度では「指導的表出」として扱っている。

教員のように長期にわたって相手を援助し成長を促すことを必要とする職業においては、相手から「演技」を見抜かれ、感情労働の質や有効性を低下させてはいけない。以上のことより、本尺度の構成因子は、教員の情緒的な職務内容を実質的に反映している。教員の感情労働の定性化、定量化に関して一応の保証がなされたと考えられる。

対人援助職は、役割の曖昧さがバーンアウトのもっとも重要な規定因

感情労働を行う状況や相手の状態や特性、また労働者自身のスキルが多様であり、感情の表出方法や表出程度がそれに伴い変化する。そのため、「演技」だけでは済
まないサービス以上の臨機応変な対応が必要とされる点で、単なる接客業とは質の異なる負担を強いられる。
<対人援助職の特徴>
無定量、無際限のサービス提供を規範的に求められる教育現場では、その効果を測定することが困難。「教師として当然のこと」として捉えられるため、その遂行についてのフィードバックが少ない。
感情労働尺度は、教員自身に内在化している感情労働を定量化、意識化することを可能にし、教育活動や自らの認知に新たな気づきをもたらす有効性がある。
・モンスターペアレンツといった保護者への対応、
・家庭の貧困によって劣悪な教育環境におかれた児童生徒への対応
種々の社会問題も看過できない。

感情労働を、ネガティブな状況をもたらす精神活動としてのみ捉えるのではなく、やりがいや満足感といった肯定的な影響過程についてバーンアウトやストレス、健康指標どれほど相関しているか詳細な検討が望まれる。

中学校教員用感情労働尺度構成の試み,矢部ら,健康心理学研究24-1,59-66

文責:タニカワ久美子
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