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ストレス研究memo

10分の超低強度運動で記憶力アップ:研究解説

2024年4月30日更新









教室で生徒たちに向かって熱心に説明しているタニカワ久美子講師。ホワイトボードには「健康」に関する日本語のキーワードと図が描かれている。

ホワイトボードには健康に関するさまざまなキーワードやイラストが書かれており、講義のトピックが健康やウェルネスに関連の健康の重要性について熱く語るタニカワ講師

はじめに

記憶力を高め、認知機能を向上させる方法として、日常的な軽い運動が注目されています。最新の研究では、わずか10分間の超低強度運動が、記憶力向上にどのように役立つかが明らかになりました

研究の概要

この研究は、ゆっくりしたペースでのウォーキングやヨガといった軽度の活動が、記憶を司る脳の部位である海馬にどのような影響を与えるかを調査しました。参加者は10分間の運動を行った後、機能的MRIによりその脳活動の変化が記録されました。その結果、海馬の活動が活発になることが確認され、記憶力が向上することが示されました。

記憶力向上のメカニズム

特に、海馬の歯状回での神経新生が観察され、これが記憶形成と長期記憶の保持に寄与していることが解明されました。新しく生まれた神経細胞が既存の神経回路に組み込まれることにより、記憶や学習能力が向上します。

運動の利点

この研究からは、日常生活で簡単に取り入れられる軽い運動が、高齢者や運動能力が低い人々の認知機能の維持・改善に役立つ可能性が示されています。また、認知症の予防や進行の遅延にも効果があると期待されています。

今後の展望

研究チームは、これらの成果を基に、より多くの人々が日常生活に取り入れられる運動プログラムの開発を進めています。特に、記憶力の向上と全体的な脳の健康を促進するプログラムは、高齢者や身体的制約を持つ人々にとって重要なリソースになるでしょう。

まとめ

超低強度運動が脳の特定の領域を刺激し、記憶や認知機能全般にプラスの効果をもたらすことを示すこの研究は、健康増進のための新しいアプローチとして期待されます。この研究を基にした運動プログラムが今後、私たちの生活にどのように統合されるかが楽しみです。


引用文献
Suwabe,Kyengho,Hyodo,et al.(2018):Rapid stimulation of human dentate gyrus function with acute mild exercise;PNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)115(41)10487-10492

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