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ストレス研究memo

自律神経の計測とストレス研究

2023年6月23日更新

自律神経を活動状態を計測する背景

自律神経は、血液循環、呼吸、体温調節など生命の維持に欠かせない機能をコントロールする重要な役割をしています。
自律神経とは、交感神経と副交感神経から成り立っています。これら交感神経と副交感神経の二つがお互いに調和して働くことで生着られると言っても過言ではありません。例えば、心拍数は、交感神経の活動により増加し、副交感神経系の活動により減少します

交感神経は、身体の活動レベルを向上させ、運動能力を高めます
反対に
副交感神経は、心身の活動を抑えて、エネルギーの消費を節約する役割をしています。
けれども、日常生活をおくっていると精神的なストレスが増えるため、適切な反応が求められる場面が増えています。

自律神経の活動状態を計測する目的

自律神経の機能を測定して、理解することで、心身の活動状態を把握します。測定には、心拍変動、呼吸、皮膚電気活動といった自律神経指標を用います。

ただし、自律神経は生命維持に深く関わるシステムです。そのため自律神経の計測数値の変動は複雑で、解釈がとても難しいです。自律神経の活動状態を計測する目的は、解釈を明確にすることで、心身の活動度、緊張や興奮状態、覚醒水準、リラクゼーション度、精度、精神的負荷や注意集中の程度をより正確に評価できるようにすることです。この先進的なアプローチにより、人間中心の作業環境の最適化や、生活の質の向上に大きく貢献すると期待されます。</ガーミンヘルスアワードに我々の研究をエントリーすることで、自律神経系の理解とその応用を推進し、健康経営の発展に対する日本の取り組みを広く共有したいと考えています。

心拍数

心拍数(Heart Rate Variability:HRV)は、心臓のペースメーカ細胞が自動発火するリズムを観察した数値です。心臓のペースメーカのリズムは、交感神経、副交感神経(迷走神経)の影響を受けます。これら自律神経の影響は、呼吸による胸郭内圧や血圧にも影響します。

詳しく説明すると、HRVは心拍数の変動を指していて、R波の間隔(RRI)の変動で測定しています。これは自律神経の活動の重要な指標となります。HRVは、ストレスや安静時の心身の状態を反映しています。ストレス時にはHRVが低下し、安静時には増大する傾向があります。

心拍の変動パターン

R-R間隔の変動には、いくつか特徴的なパターンがあります。
1.低周波数(Low Frequency:LF)成分です。これは血圧のフィードバック調整に伴う交感神経と副交感神経の活動変調を反映します。
2.呼吸に同調した高周波数(High Frequency:HF)成分です。これは呼吸中枢からの迷走神経への直接的な影響と、肺の伸展受容体や血圧変化の圧受容体反射を反映し
ます。これは主に心臓副交感神経系である迷走神経を介し、副交感神経指標とされます。

心拍変動の分析法

心拍変動の分析にはいくつかの方法があります。
1.時間領域での分析 :心拍数(HR)の平均値や標準偏差、またはNN間隔(正常心拍間隔)の変動などを計算します。
2.周波数領域での分析:心拍変動のパワースペクトル密度を計算し、その結果から特定の周波数成分を抽出します。これらの周波数成分には、低周波数(LF)成分や高周
波数(HF)成分が含まれます。

<先端的な分析法>
3.ノンリニアな心拍変動解析:時間の経過とともに心拍変動がどのように変化するかを詳細に捉える方法であり、非線形動力学系の理論に基づいています。ノンリニアな心拍変動のような複雑性の評価は、健康状態やストレスレベルをより正確に理解が可能となります。

これらの指標を用いた心拍変動分析は、個々の指標だけでなく全体の動向を観察することで有意義な情報を提供します。生体の反応は複雑な系を形成し、その各部分は互いに影響を与えあいます。したがって、これらの指標を総合的に解釈することで、生体の健康状態やストレスの状況をより深く理解することが可能となります。これらの研究により、心拍変動の計測と分析が疾患の早期発見やリスク管理に役立つ可能性が広く認識されつつあります。

心拍変動の解釈

1.LF成分は、血圧調節系の反射作用と交感神経活動を反映します。
2.HF成分は、呼吸に同調した心臓の迷走神経活動を反映します。
3.LFとHFの両方の比率(LF/HF)は、交感神経と副交感神経のバランスを評価することもあります。これは、ストレス状態やリラクゼーション状態など、心身の状態を測定方法に適しています。

さらに、心拍変動(HRV)は、心臓疾患のリスク予測にも活用されています。一部の研究では、低いHRVが心疾患や一部の精神疾患のリスクを高める可能性があることが示されています。

また、最近では健康管理の領域でHRVの利用も増えています。ストレスマネージメントやリラクゼーションのためのフィードバックとしてHRVが用いられるケースも見られます。

さらに、HRVは睡眠の質や深さを評価する一助としても使用されています。寝ている間のHRVは、深い睡眠、レム睡眠、浅い睡眠の各フェーズで異なるパターンを示すことが知られています。これにより、個々の睡眠サイクルや睡眠の全体的な質を評価することが可能となります。

結論として、心拍変動は,
その瞬間瞬間の自律神経の状態を反映するため、心身の健康状態を評価する貴重な手段となり得ます。さらに、その分析結果は生活習慣の改善や疾患の早期発見に対する具体的なフィードバックを提供することが可能です。ただし、その解釈は個々の身体的、精神的状況、そして生活環境等を考慮に入れる必要があります。心拍変動の分析は単独で完結するものではなく、全体的な健康管理の一環として利用することが重要です。

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