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ストレス研究memo

運動時の心理的因子と生理活性因子の関連性

2023年6月14日更新

運動時の心理的因子と生理活性因子の関連性についてのパイロットスタディの先行研究です。
先行研究は、川島聡子氏ら(2006).運動前後の精神的変化とストレス応答物質の関連,千葉大学教育学部研究紀要,54,263-270

まず始めに、この研究の対象とした人は、健康な19歳から52歳までの男性10名と女性1名の計11名でした。その平均体重は61.8kg、BMI(体格指数)は平均22.4でした。
運動時の心拍数と年齢を用いて運動強度を算出する方法を採用しました。これを基に、中等度の運動強度として60%の最大心拍数(HRmax)を設定し、運動時間は20分間としました。運動時の心拍数は、アメリカスポーツ医学会(ACSM)が提唱する式を用いて計算しました。
計測器具としては、コンビウェルネス社の自転車エルゴメーターと、POLAR社の心拍計を使用しました。これにより、運動中の心拍数の変化を正確に捉え、運動強度を調整することが可能でした。

運動の方法としては、まず参加者は10分間安静に座った状態で心拍数を測定しました。その後、漸増負荷テストという手法を使って、運動負荷を徐々に増やしながら最大心拍数を計算しました。その後再び10分間安静に座った後、算出された60%HRmaxの負荷で20分間運動を行いました。

運動時の心理的因子と生理活性因子の関連性について調査した結果、運動強度と心理的反応の間に一定の関連性が見られました。先行研究はパイロットスタディであるため、より詳細な研究が必要となりますが、運動強度が心理的反応に影響を与えることを示す有望な結果が得られました。

この結果は、運動療法やフィットネスプログラムの設計、あるいは一般の人々が自身の運動計画を立てる際の参考になります。この先行研究はパイロットスタディ、つまり予備的な研究でしたが、初期の結果は非常に有望です。運動が人間の身体だけでなく、心理にも大きな影響を与えることが以前の研究からも明らかになっています。

測定方法と解析方法

【気分の測定】
まず、運動の前と後で、参加者の気分がどのように変化したかを調べていました。これは、特別な心理テストです。この心理テストでは、参加者自身が自分の気分や不安を評価し、記入します。

【体の反応の測定】
次に、参加者の血液サンプルからリンパ球という白血球の一種を調査していました。リンパ球は体を病気から守るために重要な役割を果たしています。リンパ球がどの程度活動しているかを見るために、刺激物である抗体などを血液サンプルに加えて反応を見ました。

【リンパ球の状態の解析】
その次に、特別な蛍光塗料を使ってリンパ球を染め、リンパ球がどれだけ活動しているか、またはどのように反応しているかを調査しています。これは、フローサイトメーターと呼ばれる特殊なマシンを使って詳しく観察しされています。

【唾液の収集】
最後に、参加者の唾液も採取しました。唾液は、体の状態を調べるための大切な情報源です。サリベット容器と言う唾液汚染を防ぐ特殊な容器を使って、参加者が綿球を噛むことで唾液を収集しました。

これらすべての手順は、運動が我々の体と気分にどのような影響を与えるのかを理解するためのものです。詳しい解析や結果は、まだ出ていませんが、これらの情報を元に運動がどのように心と体に作用するのかを学びます。

以上の方法で、運動が心理的、生理的にどのような影響をもたらすかを見ていきます。これらのデータが、今後の運動計画や運動療法の開発に役立つことを期待しています。

唾液の中の生理活性物質の測定方法

【唾液の採取】
まず、参加者の唾液を採取します。参加者は食事の後30分以上たった後に、特殊な容器に入っている綿球を取り出し、それを30~45秒間噛みます。これで唾液が綿球にたっぷりと吸収されます。その後、綿球を容器に戻し、機械を使って固形物質と液体を分けます。これできれいな唾液のサンプルが得られます。

【唾液中の物質の測定】
次に、この唾液の中に含まれる物質を調べます。

1.「総蛋白質」:唾液に含まれる全てのタンパク質の量を測ります。特殊な試薬を唾液に混ぜて、色の変化を見ることで量を測定します。
2.「α-アミラーゼ」:これは唾液中の重要な酵素で、食べ物の消化を助ける役割があります。特別な試薬を使って、このアミラーゼの量を測定します。
3.「コルチゾール」:これはストレスホルモンとして知られる物質です。特殊な試験キットを使って、唾液中のコルチゾールの量を測定します。

【唾液中のDHEAの測定】
DHEAは、体内にあるホルモンです。健康に影響を与える重要なホルモンであるDHEAの量を調べるためには、特別な試験キットを使います。

まず、特別なプレートに唾液を50マイクロリットルずつ入れます。このプレートには、DHEAに反応する特殊な物質(抗体)がすでについています。次に、DHEAに反応する別の特殊な液体を150マイクロリットル加えます。それを混ぜてから、室温で3時間静かに置きます。これで抗体が唾液中のDHEAと反応し、色が変わります。

3時間後に、プレートを特別な洗浄液で4回洗います。これで余分な液体や反応しなかった物質を取り除きます。その後、色が変わる特殊な液体(テトラメチルベンジディン)を200マイクロリットル入れ、それを混ぜてから、暗い場所で25分間置きます。これで色の変化がさらに進みます。

最後に、反応を止めるための特別な液体を50マイクロリットル加え、それを混ぜます。そして、機械を使って色の濃さ(吸光度)を測ります。色がどれだけ変わったかによって、唾液中のDHEAの量を知ることができます。

これらの手順を通じて、体の健康状態や運動の影響を理解するのに役立ちます。さらには運動が、参加者の体にどのような影響を与えているかを理解することもできてくるので、運動の影響やストレスの程度そして体の健康状態などを評価することができます。

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