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ストレス研究memo

ストレスとストレス度について

2023年6月2日更新

ストレスについてのQ&をまとめました。

血液でストレス度は測定できるのか

ストレス度を血液から直接測定するということは一部可能ですが、その結果が全体のストレスレベルを完全に反映するわけではありません。ストレスに対する体の反応は個々の人間によって大きく異なるため、血液の成分が示す値はその人がどれだけストレスを感じているかを必ずしも正確に示すものではありません。

それでも、ストレスが体に与える影響を調査するには、コルチゾールというホルモンのレベルを調査します。コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれ、ストレス状態にあるときに体が分泌するホルモンです。ただし、コルチゾールレベルは人により大きく異なるため、個々のストレスレベルを完全に反映するわけではありません。

血液中のバイオマーカーを用いたストレス評価に関連するいくつかの論文

1.”Salivary, but not Plasma or Serum, Cortisol is a Reliable Marker of Stress Reactivity: A Pilot Study” by O’Donnell, K., Brydon, L., Wright, C. E., & Steptoe, A. (2008) – この論文は血液中のコルチゾールよりも唾液中のコルチゾールがストレス反応の信頼性のあるマーカーであると提唱しています。

2.”Serum biomarkers of chronic stress in preterm birth and preeclampsia: A systematic review and meta-analysis” by Borba, A., Dipp, T., Schuch, F., & Barros, A. (2020) – このレビュー論文は、血液中の慢性ストレスバイオマーカーが早産と子癇の予測にどの程度役立つかを調査しています。

3.”Biomarkers of stress in behavioural medicine” by Steptoe, A. (2000) – この論文は、ストレスバイオマーカーの有用性とその挑戦について詳しく説明しています。

血液を使ってストレスを測定することは可能ですが、これはストレス全体の一部分を反映しているに過ぎません。ストレスは非常に個人的な
経験であり、体調、環境、遺伝、生活習慣など多くの要因が影響します。そのため、血液テストだけでなく、心理的・行動的評価も組み合わせて使用することで、より正確なストレスレベルの評価が可能になります。

また、ストレスは時間の経過とともに変化するため、定期的な評価が必要であるという点も重要です。血液中のバイオマーカーのレベルは一時的な状態を反映するだけで、その人が経験する長期的なストレスを正確に測定するものではないかもしれません。

以上の点を考慮に入れながら、血液を使ったストレス評価は有用なツールであり、さまざまな研究や臨床応用で利用されています。ただし、その解釈は注意深く行う必要があります。

スマートウオッチでストレス度測定ができるものがたくさん市販されていますが、精度と信頼性は?

スマートウォッチや他のウェアラブルデバイスを用いてストレスレベルを測定する技術は急速に進歩しています。多くのデバイスは心拍数、心拍変動(HRV)、皮膚の電導率(GSR)、睡眠パターン、活動レベルなど、ストレスに関連する生理的な指標を測定しています。

心拍変動(HRV)は特に注目されています。HRVは心拍間隔の変化を測定し、これは自律神経系のバランスと関連しています。特に、副交感神経系(リラクゼーションやリカバリーを促進する)と交感神経系(ファイト・オア・フライトのストレス反応を引き起こす)のバランスを示す指標となりますストレス状態では交感神経系が優位になるため、HRVが低下する傾向にあります。

しかしながら、スマートウォッチやウェアラブルデバイスを用いたストレス測定の精度と信頼性については、まだ研究が必要です。デバイス間で測定の一貫性や比較が難しい場合があり、また、個々のユーザーの体調や生活環境などの変動要素を十分に考慮できない場合があるからです。さらに、生理的な指標だけでなく、心理的、行動的な要素もストレスに大きく影響します。

したがって、スマートウォッチやウェアラブルデバイスで得られるデータは、ストレス管理の一部として有用であると言えますが、それだけで完全なストレスレベルを判断するのは難しいでしょう。専門家の助けを借りて、ウェアラブルデバイスのデータを他のストレス管理戦略と組み合わせることが重要です。

指に針を刺して血を採ることなく血糖を測定できる装置

指に針を刺して血を採ることなく血糖を測定できる装置の1つに、、連続血糖モニタリング(CGM)システムがあります。CGMデバイスは、皮膚の下に小さなセンサーを挿入し、組織間液と呼ばれる体液中のグルコースレベルを連続的に監視します。これらのデバイスは、通常の血糖測定器よりもより詳細な情報を提供し、血糖レベルの急激な上昇や低下を早期に検出できる利点があります。

しかし、CGMデバイスは血中のグルコースを直接測定するわけではないため、その精度と信頼性には制限があります。CGMデバイスは通常、組織間液中のグルコースレベルを血糖レベルに換算しますが、これら二つのレベルが完全に一致するわけではないのです。特に、血糖レベルが急激に変化するとき(食後や運動後など)には、CGMが血糖レベルの変化を若干遅れて反映する可能性があります。

さらに、CGMデバイスは定期的なキャリブレーション(調整)を必要とすることがあり、これは通常、指先の血糖測定を用いて行います。したがって、CGMデバイスは指先の血糖測定を完全に置き換えるものではありません。

それにもかかわらず、CGMデバイスは適切に使用されると、血糖管理に非常に有用なツールであると広く認識されています。それは、血糖レベルの変動を時間とともに追跡できるため、ユーザーが食事、運動、薬物療法の影響を理解し、それに対応することができるからです。

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