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ストレス研究memo

社員のレジリエンス研修についてのトピック

2023年4月26日更新

以下は、タニカワが読んだ論文のうち、興味深いトピックやアイデアを書き留めたストレス研究メモです。

研修で今流行りな”レジリエンス”って一体何もの?

「レジリエンス(resilience)」とは、困難やストレスなどの逆境に直面しても、個人や組織が適応し、回復する能力を指します。この能力は、心理的なものだけでなく、身体的なものや社会的なものにも及びます。例えば、自己効力感やストレス耐性が高い人は、ストレスフルな状況でもより良い結果を出すことができる場合があります。

また、組織においては、リーダーシップやコミュニケーション能力が高い場合に、困難な状況でもチーム全体が回復しやすくなることがあります。レジリエンスは、個人や組織の健康と幸福に重要な役割を果たすことから、近年注目されています。

日本の個々のレジリエンスの測定に関する研究では、レジリエンスの多様な定義、レジリエンス研究の特徴と限界、包括的な概要などを調査したものがあります。

日本で開発されたレジリエンス測定尺度にはどのようなものがありますか?

アンケートを用いたレジリエンス測定尺度が数多く開発されています。

日本の研究者はレジリエンスをどのように定義していますか? また、これは他の定義とどのように比較されますか?

日本では、Masten, Best, & Garmezy (1990) によって提供されたレジリエンスの定義が多く使用されています。Masten, Best, & Garmezy の定義では、レジリエンスを「挑戦的または脅迫的な状況にもかかわらず、成功した適応のプロセス、能力、または結果」と定義しています。 Masten, Best, & Garmezy の定義は、世界中の研究で使用されているレジリエンスの他の定義と似ています。 ただし、文献にはさまざまなレジリエンスの定義と概念化があるので、それ添えの国の文化や、執筆者の文脈的要因によって異なる場合があるので注意することが重要です。

日本におけるレジリエンス研究の限界にはどのようなものがありますか?また、今後の研究ではこれらにどのように対処できるでしょうか?

日本のレジリエンス研究のほとんどは、質問票法を使用した測定スケールの開発に焦点を当てています。しかも研究の多くは横断的でした。

研究の限界

レジリエンスについての質問票によるアプローチの制限の 1 つは、個人差や時間の経過に伴う変化を捉えられない可能性があることです。 この制限に対処するために、将来の研究では、個人差を捉えることができる測定ツールの開発と縦断的研究の実施に焦点を当てることができます。 さらに、定性的な方法や混合方法の設計など、より幅広い方法とアプローチをレジリエンス研究に組み込むことは、研究者にとって有益な場合があります。 最後に、研究者が日本でレジリエンスを研究する場合、文化的および文脈的要因を考慮することが重要です。これらの要因は、さまざまな状況で個人がどのようにレジリエンスを定義し経験するかに影響を与える可能性があるためです。

出典:森千夏.日本におけるレジリエンスの測定尺度の展望.東洋英和大学院紀要. 2022,18号

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