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ストレス研究memo

介護職の感情労働/ストレス研究memo

2023年1月20日更新

こんにちは。けんこう総研のタニカワです。さて今日は昨日の「介護士さんの感情労働は同僚間でストレスを高めることが多いよ」と言うお話しのつづきです。なお、このmemoは論文発表にもとづくものなので、本ブログではお話しの内容をわかりやすくするよう私の経験や解釈も交えながら書いています。

感情労働の難しさは、顧客との共有時間

感情労働は、被介護者や患者さん、お客様などとの「共有時間」が感情労働の困難さだと言われています。客室乗務員の感情労働時間は、客室乗務員と乗客の共有時間はフライトの間だけす。けれども介護士とグループホームの入居者の共有時間は多くの場合、長時間で長期間の継続です。それだけに、対応場面も多く、感情労働の負担も増加します。そのため、介護士にとって大きな負担となっている感情労働のあり方を問う健康経営のありかたは重要です。

介護労働の現場における同僚間の人間関係を感情労働

感情労働として介護職をみていくと、人間関係の改善に役立つ知見を得ることができます。

職場の人間関係のストレスを扱う考え方には、「ストレス理論におけるコーピング概念」と、「ソーシャルスキル」「ソーシャルサポート」「アンガーマネジメント」などがあります。けんこう総研では、とくに感情労働を取り上げた考え方を重視しています。

ラザルス博士が提唱した「《コーピングとは,個人の資源に負荷を与えたり、その資源を超えると評定された外的ないし内的要請を処理するために行う認知的行動的努力》」(小杉ほか,2002: 43 cited in Lazarusu, 1999)があります。これは、ストレスにどう対応するか、その対応方法が書かれています。

ソーシャルスキルの意味

会話で、相手の反応を見ながら、それに応じて目標と反応を決定し,感情を統制したうえで反応を実行するまでの循環的な過程」(小杉ほか,2002: 62 cited in 相川,
2000)と書かれています。なんだか、文章にすると「そんなの出来るかい!」と、さじを投げたくなるような話ですよね。でもこれが、相手とのストレスを軽くする重要な要素とラザルス博士は言っています。 ラザルス博士の会話を実際に聞いてみたいものです。

ソーシャルサポートとは

ソーシャルサポートは、「社会的支援:家族や友人など,ある個人を取り巻くさまざまな人々から与えられる有形・無形の支援」(嶋,1991: 76)のことです。サポートしてくれる人がたくさんいれば、人間関係のストレスも軽減してくれます。

アンガーマネジメントとはストレス反応を緩和するためのマネジメント法

アンガーマネジメントは、対話のなかでの葛藤で見られる怒りという感情とどう向き合うべきかについての考え方とマネジメント方法です。最近の研究では「“怒り”を社会的に受け入れられる形で、適切に表現する」という視座の研究が盛んになっています。これは、ストレス反応を緩和するための考え方です。
 

感情労働は特別なマネジメントが必要

ソーシャルサポートやアンガーマネジメントと、感情労働でのマネジメントはまったく異なります。ソーシャルサポートやアンガーマネジメントは、ストレスに対する緩和剤で、いわば応急処置です。ストレスコーピングの技術を身につけなければなりません。一方で,感情労働は介護士にとってストレッサーそのものなので、そのストレスををめぐる介護制度や理念のあり方も含まれます。

ホックシールド博士の言い分

「地位の高い人々は,自分の感情が他者から注目され、地位が低くなればなるほど、感情は他者に気づかれることなく、むしろ取るに足りないものとして扱われることになる」(A. R. Hochschild=2000: 197)と感情についての社会的地位にもとづく格差の存在を指摘しています。
そして今も昔も、介護士の賃金水準は,介護労働安定センターの調査によれば、決して高くなく、社会的地位も決して高いわけではありません。そのような中で、感情労働という感情を巡るストレスについて、現状を無批判で受け入れられません。介護現場の同僚間の人間関係の問題を考える際もまずはストレスとなっているもののあり方の是非から問わなければなりません。そのうえではじめて、コーピングのあり方やアンガーマネジメントのあり方などの考察の必要があらわれると論文著者は述べています。そしてなにより、感情労働は介護労働者の現実です。介護職は日々、利用者に対して感情労働を行っています。

 ここまで、この論文を読んで胸が熱くなりました。園木氏の論文はまだまだ続きます。

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