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ストレス研究memo

ストレスの基本の「キ」研究メモNo.74

2024年5月19日更新

こんにちはけんこう総研のタニカワです。昨日に引き続いて老若男女誰もがしっている言葉「ストレス」についてのお話です。

企業のセミナーでストレス管理の重要性を説明している女性講師タニカワ久美子

ストレス反応の第2段階「カラダの抵抗期」でストレスを効果的に管理することがメンタルヘルス不調に陥らない肝です

ハンス・セリエより前の「ストレス」用語

ハンス・セリエが「ストレス」という用語を使う以前、「ストレス」という言葉は主に物理学や工学の分野で使用されていました。

物理学や工学での「ストレス」の使用法

1.力学的応力(Mechanical Stress)
定義  : 物体に外部から力が加わることで生じる内部の抵抗力のことを指します。
応用例 : 機械工学や土木工学で、建築物や機械部品の設計において、どの程度の力(応力)が材料にかかるか(=ストレスがかかるか)を計算し、その材料が破壊されないように設計する際に使われます。

2.弾性とひずみ(Elasticity and Strain)
定義   : ストレスは物体にかかる力、ストレインはその力によって生じる変形を指します。
ストレスとストレインは互いに関連しており、弾性体においてはフックの法則に従います。
応用例  : 建築材料の選定や構造設計の際に、材料がどの程度の力に耐えられるか(応力-ひずみ曲線)を評価するために用いられます。

生理学で初めて用いられた「ストレス」と言うコトバ

セリエが、生理学的な言葉として「ストレス」を使う前は、「ストレス」と言うコトバは生物学や医学の分野ではほとんど使用されていませんでした。セリエは、この物理学的な概念を生物学的な反応に応用し、ストレスが生体に与える影響を説明する新しい枠組みを構築しました​

ハンス・セリエの貢献

ハンス・セリエが「ストレス」という用語を生物学および医学に取り入れたことで、この概念は広く普及し、現代のストレス研究の基礎を築くことになりました。セリエの研究により、ストレスが単なる物理的な力だけでなく、心理的および生理的な要因によっても引き起こされることが示されました。

これでセリエが「ストレス」という概念をどのように生理学に適用し、現代のストレス研究の礎を築いたかを理解することができたでしょうか。前置きが長くなりましたね。それでは昨日の続きのセリエが「身体がストレスにどのように反応するかを説明した論文」」で「第2段階の反応」の解説に入っていきます。

ストレスに対する抵抗期

抵抗期(Resistance Stage)は、一般適応症候群(GAS)の第二段階です。ストレスが持続する状況において身体が適応しようとする時期でもあります。抵抗期段階では、身体がストレスに対して持続的な反応を示し、適応しようとすることで均衡を保とうとします。

抵抗期の特徴

1.持続的なホルモン分泌
抵抗期では、最初の警告反応期で分泌されたアドレナリンやコルチゾールといったホルモンが引き続き分泌されます。
これにより、エネルギーレベルが維持され、身体はストレスに対して長期間の対応が可能になります。

2.適応と均衡の維持
身体は、ストレッサーに適応するために、内部のホメオスタシス(恒常性)を保つよう働きます。
免疫機能は一時的に向上し、ストレス因子に対抗する力が強化されます。しかし、これは一時的なものであり、ストレスが長引くと次第に身体の資源が枯渇していきます。

3.パフォーマンスの向上
抵抗期段階では、身体がストレスに適応しているため、一時的にパフォーマンスが向上することがあります。
例えば、ストレスが仕事の締め切りによるものであれば、この時期に集中力や作業効率が一時的に向上することが見られます。これがいわゆる脳のマスキングです。

抵抗期の影響

1.健康への影響
長期間にわたるストレスへの適応は、身体に負担をかけ続けるため、免疫系の機能が低下し、感染症にかかりやすくなります。
また、慢性的なストレスは、心血管系に悪影響を及ぼし、高血圧や心臓病のリスクを高めることがあります​

2.心理的な影響
抵抗期が続くと、精神的な疲労や不安感が増し、集中力や記憶力の低下を引き起こすことがあります。
これは、脳が継続的なストレスに対して適応しようとする過程で、神経伝達物質のバランスが乱れることによります​

抵抗期でのストレスマネジメント

ストレス管理の重要性
抵抗期をうまく管理することは、ストレスが慢性化し、最終的に疲憊期に進むのを防ぐために重要です。
呼吸法技術や、業務負荷に合った運動方法、従業員のヘルスリテラシーの向上などが、抵抗期のストレス管理に有効です​

専門的なけんこう総研での支援

抵抗期の段階では、まだメンタルヘルス未病段階で予防対処が可能です。ストレスを効果的に管理できない場合、ストレス管理の専門家によるサポートを受けることを推奨します。職場でのストレスの原因に対処し、健康を維持するための戦略を立てることでメンタルヘルス対策として十分間に合います。

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