「タニカワ先生、ちょっと言ってあげてくださいよ~」── 先日、顧問をしている会社のコンサルテイィグが終り、会社を出てから懇親会の場で労務担当者さんの言葉です。
最初、「えっ?何を?」と思っていたのですが、なるほどご自分が社内で『労働安全への啓蒙活動』として実施している健康管理に全く反応がないので代わりにガツン?! と言ってやってほしい…ということのようで…。
ちなみに、この労務安全課の山辺真理(仮称)さん、真面目で勉強熱心な健康意識の高い方です。学術的に言わせて頂くとヘルスリテラシーが高い優等生的存在です。
ときどき開かれている懇親会にお邪魔した…という次第です。
懇親会には、主に現場の中間管理職の男性陣が集まっていたのですが、労務担当者としては、現場の人に、いつも「仕事帰りに毎晩飲んでストレス発散はダメだよ…」と口すっぱく言っているそうなのですが、「馬の耳に念仏」状態のようで、社内の健康診断で肝臓の検査数値が基準値より高い従業員が毎年増えているそうなのです。
因みに、肝臓の検査はメタボ健診の項目にもなっていますね。
①ALT(GPT) ・・・基準値は、30 IU/L以下
②AST(GOT)・・・基準値は、30 IU/L以下
③γ-GTP・・・・基準値は、50 IU/L以下
なるほど、冒頭の言葉の意味がよく分かってきましたので、ちょっと労務安全課の山辺さんのお手伝いをするわけではありませんが、中間管理職の方々も、会社訪問でよくお会いしてお話しする方々でもあったので、ちょっと馬の耳にも念仏が届くようにお声をかけてみました。
まず最初に、「ところで、何でいつも飲まれるのですか?」と言う突拍子もない質問を投げかけました。どんな答えが返ってくるのかな? と伺っていると、「えっと、う~ん、まあ、ストレス発散ですね」といった、やはり想像どおりの答えが。
なぜ想像どおりの答え…かと言うと、ビジネスパーソンにとって一番手頃なストレス発散法と言えば、お酒に決まっていますから、聞く前から分かっていたからです。
アルコールで本当にストレス発散できていますか?
確かにたしなむ程度のお酒は、全く飲まない人よりも健康であるというデータはたくさんあります。ですが、お酒を飲む人にとってこの『たしなむ程度」というのが非常に難しいのです。たしなむ程度、適度な量、適量、少々・・・少々飲む程度で終わるのでしたら、私もお酒を飲む口なので、全く飲まないほうが良いです。
飲み過ぎはいけない!とはわかっていて飲むのです。私は管理栄養士ですが、重々わかっていて飲み過ぎてしまう方全員に教科書通りの「お酒は1日1合まで」なんて野暮な提言はいたしません。
ただ、お酒を飲むことで日頃のストレスが本当に解消すれば良いのですが、実際には、仕事帰りのお酒は現実逃避の手段にしかすぎません。ストレスは全く減っていません。減らないどころか、アルコールが抜けたら、肝臓への負担がかかって今度は身体的ストレスが増加してしまいます。
あなたは、ご自分の仕事において、どんなストレス解消法をお持ちですか? あなたの健康な心身を最高に活かして働くために、上手なお酒との付き合い方をされていますか?
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