ラグビーの日本チームが世界第2位のアイルウランドに勝利して凄かったですね。興奮未だ冷りませんが、試合前の日本チームのストレスは尋常なものではなかったでしょう。しかしこのストレスがむしろ日本ラグビーチームのパフォーマンス向上に繋がった典型的な好事例です。
目次
ラグビーメンバーの高ストレスが何故「パワー」に繋がったのか
彼らのメンタルの根幹でもある
「ストレスを自らマネジメントする。つまりストレスコントロールさえできれば、ストレスを利用して生産性向上する」
ということを、全員が知っている、周知しているからです。これをストレス対処(ストレス・コーピング)と言います。
ストレス対処法は、ネガティブな心境になっている人に対してだけでなく、ふつうに問題なく日常生活を送っている人にも効きます。毎日のルーティーンになている仕事でも、よりやる気をもって積極的に、ポジティブな考え方をもって仕事を進めていくための自分自身をコントロールしていくスキルです。
私タニカワのメンタルヘルス対策研修では、受講者の方々に「ストレスが発生したら、そのストレスを逆手にとってどんどん活用しましょう!」とストレス活用法について、具体的にお伝えしています。
適度なストレスは、パフォーマンス向上に非常に効果を発揮する
よくあるストレスの問題として「ストレスでやる気がなくなった」「ストレスで疲れた」とおっしゃる方は大勢いらっしゃいます。でもこのストレス、適度なストレスというのは、非常に重要でパフォーマンス向上には不可欠なのです。これはラグビーチームのような、練習に練習を重ねなければ得られないストレス対処法ではありません。
そもそも生活をするということは、もれなく誰でもストレスがついてまわります。適度なストレスは人にやりがいを与えます。言い換えると、ストレスがなくなると逆にやる気をなくしてしまうものなのです。
ストレスをパワーに変えるストレス対処法が健康経営だ
日本代表ラグビー選手でなくとも、一流になればなるほど、自ら鼓舞するためにストレスを増やしたりもします。これは企業においても成果を上げるのに必要なことで、どんな緊張下であってもストレスコントロールできるストレス対処スキルが必要なことは間違いないことです。企業において、従業員一人一人の生産性を上げることは、経営においても必要事項です。それには、ストレスをパワーに変えるストレス対処法を一人でも多くの職員が身に着けること自体が必要です。
けんこう総研のメンタルヘルス対策は、ストレスチェックでまったく問題がなく仕事ができる社員が、よりやる気をもって、ポジティブに行動していくための研修です。
ストレス対処のスキルこそが、企業の健康経営を支え景気に左右されない強い経営母体をつくっていけるのです。
ストレスはチャンスのばねになる、ストレスの効能
私は、もともとは勤めながらバレエリーナをして、早稲田大学院ではスポーツマネジメントを研究していました。そのため周囲にアスリートが多くいます。アスリートで結果を出す人は、残業勤をしハードワークをこなしながら競技大会に出場して素晴らしい成績をおさめています。いったいどうやって練習時間を捻出しているのか?年齢だって若いとは言えないので睡眠不足では良い成績がでるわけありませんよね。しかし、これこそがストレスマネジメントができている証明なのです。
パフォーマンスを向上させるには当然、運動強度というハードルを少しづつ高くしてプレッシャー状態を作っていく必要があります。プレッシャー=ストレスです。ストレスとパフォーマンスの相関関係は、ストレス(プレッシャー)が高すぎると、緊張しすぎてガチガチになったり、興奮しすぎて冷静さを失ってしまいふだんの実力さえも発揮できないメンタル状況に陥ってしまいます。逆にストレス(プレッシャー)がなさすぎると、ボケっとしてしまいやはり実力が発揮できません。
ビジネスの事例では
高ストレス(プレッシャー)のために、不眠不休で資料をつくって準備したのに、営業先相のプレゼンで気張り過ぎてうまく説明できなかった。
また、
慣れた業務でストレス(プレッシャー)がないばかりに、でうっかり気を抜いて仕事をしたら労働災害をひきおこしてしまった。
ストレスは、日常の些細な事でおこります。仕事上のイライラや、職場の人間関係の空気を読まなければならない息苦しさ、家に帰れば帰ったで家庭生活でのイライラなどもう数え上げたらきりがありません。ですがこのような日常生活の小さなストレス、専門用語でデイリーハッスルと呼んでいるストレスを逆利用して仕事のパフォーマンス向上に役立ててください。些細なストレスを何も対処せずに溜め込んでいませんか?ストレスを溜め込んでしまい自分でマネジメントできない大きさになってしまったらもう手遅れです。メンタルヘルス対策は、ご自分でコントロールできるストレスから対処させましょう。今日も健やかにお過ごしください。




最新記事 by タニカワ久美子 (全て見る)
- 健康経営で参加者が増えるイベントにするには - 2019年11月20日
- 心身健康科学の博士後期課程と新たな繋がり - 2019年11月13日
- 健康経営には社員の外食の領収書伝票がカギ - 2019年11月12日