某日「タニカワ先生、私もう限界です」と、けんこう総研のカウンセリングルームに駆け込んできた知人のお嬢様がいらっしゃいました。聞けば、勤務中は笑顔を絶やさないでいなければならないコンシェルジュと言う職業をこれ以上つづけることに限界が来たと言います。それはそうですよね。どのようなお客様に対しても笑みを忘れずにいるのってかなりしんどいものです。
福利厚生はしっかりしているし、勤務時間も残業はそれほどない。ブラック企業とは真反対に位置するような恵まれた職場環境です。しかしそんな優良企業で働く彼女の業種自体が、リスクとリターンの原則が正常に働かない職場環境にあるのです。彼女の仕事は、会社にとっての顔なので否な言い方をすると笑顔の彼女が商品サービズそのものです。そのサービズを長時間、毎日毎日売ろうとすると、彼女自身にひずみがでてきて当たり前です。
「無理をする」業務にはリスクはつきものだということは、世の中の普遍的な真理だからです。
何を当たり前のことを、と思われるかもしれません。けれども最近の社会的風潮として「リスクを許容する」ということが言われてることも事実です。なぜなら健康経営の原則として「リスクとリスクヘッジへの相関をはっきりさせなければならない。と言うことにあるからです。個人の業務内容が例えば「勤務開始から、終了のタイムカードを押すまで”笑顔”を強要するような一見、なんてことはない業務に見えることでも終始となるとそれは、多大なリスクとなります。反対に、企業の秘書で働く人は、対面挨拶の時だけ笑顔を見せればよいので感情労働へのリスクは小さくなるといった相関です。
このように外からでは見えない労働に関わるリスクというのは、未だ表面化されていないのが厄介な点でもあります。「一日笑顔でいてください」といった感情労働のリスクは、個人に多くのしかかってきます。従業員のパーソナルにリスクをたくさん取ってもらうことで職場へのリターンが大きくなります。第3次産業といった店舗などのサービス業がこれに当てはまります。
ビジネスうパーソンだけが、疲弊してしまうのがサービス業界に蔓延する「感情労働」と言われている業務です。
皆さまの会社では、ひょっとして笑顔訓練といった研修を行っていませんか?嬉しくもないのに笑顔を絶やさないでいることに、息苦しさを感じていませんか?だとしたら感情労働のつけが心身をむしばんできています。そうならない前にけんこう総研では、適切な第一次予防研修をおこなっています。お気軽にお問合せください。




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