「タニカワ先生、人事部の健康リーダーとして向いている人と、向いていない人の違いってあるんですか?」── 先日、とある企業の顧問産業医と産業保健師さん達と会食していた時に聞かれた質問です。
人事部や総務部の健康推進担当者としてトとして社内効果をだすために活躍する人とは
人事部や総務部の健康推進担当者としてトとして社内効果をだすために活躍する人と、一生懸命やっているのに生産性向上にはならない担当者、つまり健康リーダーの違い…というご質問ですが、外部の方からのご質問ということもあり、健康リーダーとしての評価基準としてお伝えすることにしました。
働きかた改革と健康リーダーの役割
私は、企業で働く人達の健康管理を担当する方がたを、企業健康リーダーと呼んでいます。企業健康リーダーと言うと、言わば社内の『働き方改革』を担っている方々です。なのに有所見率を下げなければいけない、メンタルヘルス対策をしなければいけないという面ばかりに目が向いてしまっているのが、多くの企業での実情です。
その中でも『メンタルヘルス対策』と言うと、社員の高ストレス者の選定とうつ病診断者に対する対応で、もしも失敗したらハラスメントで、逆に健康リーダーの私が訴えられるかもしれないということばかりが強調されています。それは一面では確かにそうなのですが、腫れ物に触るように高ストレス社員にたいして接するべきことではないと私、タニカワは思います。
健康推進課・健康管理部署がうまく回らない一因
メンタルヘルス対策の研修やセミナーを実施しようとする時、従来型の会社は先ず上司にお伺いを立てて指示や指導を仰ぎます。上司はもちろん、経験もあり心療内科などの専門職である方も少なくありません。また様々な健康情報を集めて、職場全体の生産性や業績をにらんで、まるで事業計画のように指示、指導をしてくださるメーカー企業のリーダーやトップ・管理職の方もいらっしゃいます。その指示に従ってメンタルヘルス対策を実施さえしていれば、結果なんてでなくても上司は「よきに計らってくれる」と思っているかたが、たぶん大半だと思います。つまり上司の指示通りのメンタルヘルス対策研修をしていれば、ハラスメントなどといったリスクはない。でもそれは、健康管理、統括する部門の健康リーダー、翻って健康経営者としてのジャッジメントはもちろん無いのです。そうした健康推進課、健康管理部署でのいびつな構造がメンタルヘルス対策研修をひとつするのでも浮き彫りになって表れます。
タレントや芸人の健康ろテーマとした講演で、職場の生産性向上は望めない
社内環境を診ずに、とんちんかんな方向に闇雲に社内セミナーや講演を実施する会社も少なからずあります。もちろん単発セミナーやビジネスタレントが病気を克服してこんなに元気になりましたていの話で職場の生産性が向上するわけもありません。
健康管理を推進する人は報われるのか?そのリサーチの方法
では、どうしたら会社全体の、職場の健康度が上がるのかと言えば、有所見率なら有所見率に焦点を絞りこみ、「どういうコンセプトで社員の健康リスクを下げていこうか?」「どういう設定なら社員や従業員は。メンタルヘルス(心の健康)や身体の健康について興味・関心をもってくれるのか?」ということを先ず、リサーチしてみなければわかりません。そうして、メンタルヘルス対策研修がうまくいった場合には、健康推進課や健康管理部門にとって大きな実績となってリターンが得られます。
職場の健康経営の基本理念
そういう当たり前の健康経営に、健康経営の基本的な原理がふつうにはたらく職場に、これからどんどん変わっていく。それがこれからの企業に健康経営が敷かれた基本構造ではないでしょうか。
しぶとく地道に健康課題をつぶしていくことが健康リーダーの役割
もちろん、1回や2回のメンタルヘルス対策セミナーを実施したからといって一気に雪崩を打って変わっていくということはありません。ですが、しぶとく地道に健康課題をつぶしていくことが魅力あるメンタルヘルス対策研修が実施でき、研修によって社内環境や社員も変わっていくものではないでしょうか。




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