参加したい・セミナー後も続けたくなる健康経営セミナーにするには
健康経営には、参加者がセミナー後にも一人で続けようと「行動変容」させることが健康セミナーの意義です。その健康セミナーには運動プログラムが組み込まれていた場合、健康運動の意義をわかってやるのか、わからずにやるのかでは成果は大きく変わってきます。
ヨガ教室や社交ダンスなどのカルチャー教室では、ポーズ一つ一つの意義、言い換えると目的などをインストラクターの講義を聞きながら行ったとしたらもう飽き飽きしてしまいますよね。だってヨガや社交ダンスをしている多くの方は、楽しむことを目的として参加しているのですから。
運動講師の「見よう見真似で運動する」のと運動講師が「運動動作の目的の説明を聞きながら運動をする」のとの違い
継続を求める健康セミナーの多くが、参加者に記録を求めがちです。そのため、セミナーで実際の運動する時間が少なくなってしまいます。しかも、健康について知識を得るためなのに、大半の参加者は下を向いたりしてたぶんセミナーとは全く関係のない考え事をしながら聞いている様子がうかがえることがしばしばあります。更に問題なのは、講師やインストラクターでさえ参加者に何をわからせようとしているのかはっきりしていない点です。このような健康イベントやセミナーでは到底参加者の健康への行動変容など望むべくもありません。
ならば、正しい運動動作の意義や健康にどう役立つかなどの、理屈は全て飛ばして運動時間にだけ貴重な時間を費やせばいいと言うのは、かなり乱暴です。健康リテラシーを高め、一人一人の生産性をアップさせるには、一つ一つ丁寧な説明とステップを追ってこそ初めて成果がでてくるのですから。
健康運動の講師をなさっている方でこんなことを仰る先生がいました。「全員がフルマラソン大会に出場するような人は別にして、限られた運動時間内に求められてももともと無理がある。しかも参加者の殆ど全員は、「運動は身体に良い」ことくらいわかりきっているのだから。」したがって、健康セミナーや健康イベントで、小難しい理屈は不要との見解でした。
この健康運動をされているインストラクターの見解は、ご本人の経験をもとに話しをされているので説得力がありました。
加齢による健康運動には、「わかる」ことが必要
説明など不要で運動講師の見よう見まねでも、健康維持増進がはかれるのは成長期までです。社会人になると、理解はしている・わかっていると思い込みをされている参加者が圧倒的です。私の健康運動の講義で「腕立て伏せはどこの筋肉の運動ですか?」」と質問するとほぼ全員が「腕」と答えます。
「腕立て伏せは腕の筋トレ」といった思い込みが健康運動を阻んでいる
「腕立て伏せをすると、腕が太くなる。」「腕立て伏せしたら直ぐに腕が筋肉痛になるから嫌い」と腕立伏せは女性に不人気の筋力トレーニングです。しかしこの発言は全くの誤解です。あふれるほどの健康情報による誤解や思い込みによる健康への具体的な捉え方をわかっていなくては、ただやみくもに運動をしてもなにも効果が表れないのです。
健康にたいする正しい理解をしていなければ、ただ運動をするだけでは効果があらわれる期待もうすいでしょう。例えばこの「運動動作は、腰痛予防に効くというがどこの筋肉にどのように働いて痛みが和らぐ」のかわかって運動をするのと、知らないで運動をするのでは健康経営の継続に大きな差がでてきます。
「健康について、わかっている(と思い込んでる)」段階から「健康活動を続ける」段階に至るには、小さなステップを丁寧に踏む手続きをしなければなりません。貴社の職場では、健康経営上の必要なステップを丁寧に配慮されていますか?段階を踏んで健康経営をされていれば、参加者である職場の方々も、健康経営を推進する立場である人事・総務ご担当者も両者の問題点が解消されていくはずです。
健康経営で求めるものは、参加する側と運営する側の溝を埋められる第3の立場が必要です。それこそが、健康経営で「参加したい」「やりたい」ことなのですから。また実際のセミナーを通して、参加された方も運営側も、健康に対する具体的な理解も一層深められるはずです。「参加する」ためには、運営側の「やりたい」健康セミナーに結び付けていくことが必要です。
「一生懸命運動をしたのに、一向に健康診断数値が改善されない」という空しい思いは無くす
一生懸命の運動が、結果に結び付かないのは、一生懸命が違った方向で頑張っているからです。正しい方向性を示すための運動効果をわかりやすく説明しながら運動を実施することによって、健康経営は確実に好転しだします。参加者と総務・人事の健康推進担当者の健康リテラシーが高まり、主体的に継続しだす相乗効果を生んできます。
貴社の健康経営は、健康運動を取り入れていますか?職場の方々が健康運動の意義を正しく理解されていますか?




最新記事 by タニカワ久美子 (全て見る)
- ストレス対処に特化したホームページにリニューアル中 - 2021年3月24日
- ストレスを正す!ストレス研修の重大要素 - 2021年3月24日
- 生産性が上がる組織をつくるエモーションストレス管理 - 2021年3月24日