健康リーダー応援コラム
中小企業の経営者さまが健康経営に踏み出せない本音と解決策
2025年2月4日更新
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中小企業の経営者が健康経営に踏み出せない理由と解決策
こんにちは、けんこう総研のタニカワ久美子です。
私は、産業ストレス管理の専門家として数多くの企業を支援していますが、経営者の皆様から「健康経営の重要性はわかっているが、どこから始めて良いのかわからない」との声をいただきます。
そこで今日のブログでは、そんなお悩みに寄り添いながら、具体的な解決策をご提案していきます。
中小企業ならではの課題も取り上げていますので、ぜひ最後までご覧ください。
経営者が抱える健康経営へのハードルとは?
健康経営に取り組む企業が増えている中で、中小企業の経営者からは次のような本音がよく聞かれます:
「うちの会社は小さいから、何かを始めるときは社長である私が号令をかけて、手を動かさなければならない。
結果、私の仕事が増えてしまう。」
「健康経営は業績にすぐ直結するものではなく、時間を費やす余裕がない。」
「うちは複数の小規模事業所が点在しているため、ストレスチェック制度の義務対象にも入らないので、やる必要がない。」
「非正規雇用のパート社員が大半なので、正社員のように健康経営の対象にする必要はないと考えている。」
経営者のさまざまなお声からわかるのは、
健康経営が一見、直接的な利益や効率に結びつきにくく、また社内の規模や雇用形態によって実行しづらいと感じていることです。
ご安心ください。このような状況でも、効果的なアプローチがあります!

この記事では、中小企業の経営者が健康経営に踏み出せない理由を解説し、負担を軽減しつつ効果的に導入するための具体的な解決策を紹介します
1. 経営者の負担を軽減する仕組みを構築する
健康経営=経営者の仕事が増える というイメージを変える必要があります。
多くの経営者が「全て自分で動かさなければならない」と思い込んでいますが、やり方次第でで負担は軽減できます。
健康経営推進チームの設置
すべてを経営者が取り仕切るのではなく、社内で健康経営推進の役割を持つチームを設けることで業務分担を減らします。
従業員の中から健康管理担当者を選任し、経営者の意思決定をサポートする体制を整えると効果的です。
専門家の外部支援を活用
社内リソースが限られている中小企業にとって、外部コンサルタントや健康経営に特化したサポート企業と連携するのは有効です。
必要な知識やサポートを短期間で効率よく得ることができます。
2. 健康経営がもたらす利益を見える化する
多くの中小企業経営者が「健康経営はすぐには利益につながらない」と考えていますが、実際には見えづらいだけで、長期的には大きな効果があります。
そのため、短期的な成果を見える化することで、社内理解を促進できます。
小さな成功事例を積み重ねる
最初から大規模な取り組みを行うのではなく、社員の満足度アンケートや簡単な健康イベントからスタートし、その成果を社内で共有しましょう。
たとえば、「健康イベント後のアンケートで社員の70%が満足」といった具体的なデータは、経営者にとって理解しやすい材料です。
- KPIの設定
従業員の欠勤率や離職率の改善、業務効率の向上など、健康経営の成果を測定するためのKPIを設定し、定期的に進捗を確認することで、経営者の理解と支持を得られます。
3. 分散型の事業所でも取り組める健康支援策
事業所が複数に分かれている場合でも、健康経営に取り組むことは可能です。
むしろ、分散型の環境だからこそ、適切な支援策を導入すれば効果が見込めます。
- オンラインツールの活用
リモートで健康教育やストレスチェックを実施することで、事業所が異なる場所にあっても一貫した支援が行えます。
定期的なオンラインミーティングで従業員の意見を吸い上げ、フィードバックを共有しましょう。
- 拠点ごとの小規模な取り組み
事業所ごとに異なる課題に合わせた施策を導入し、必要に応じて外部講師を招くのも有効です。
また、事業所単位での表彰制度を設けると、モチベーション向上につながります。
4. 非正規社員を含めた健康経営のメリット
「非正規雇用のパート社員には健康経営が関係ない」という考えは、健康経営の本質を見落としています。全ての従業員の健康が、組織全体の生産性や安定に影響を及ぼすからです。
- 非正規社員の健康支援も重要
パート社員の多くが長期間にわたって勤務している場合、彼らの健康状態が悪化すると業務の効率や品質に影響が出ます。
短時間でも健康セミナーや簡易な健康診断を取り入れることで、パフォーマンス向上に寄与します。
- 柔軟な施策を導入
勤務時間が異なる非正規社員向けに、業務中に実施できる軽いストレッチやウォーキングチャレンジなど、柔軟な施策を取り入れることで負担なく参加できます。
5. 社員の共通理解を育むためのアプローチ
健康経営が成功するためには、経営者、管理職、そして社員が同じ方向性を共有することが必要です。
- トップダウンとボトムアップの融合
経営者からのメッセージと、社員からの意見交換の場を両立させることで、信頼感が生まれます。
定期的なワークショップや健康に関する情報共有を行い、全員が健康経営の重要性を実感できるようにしましょう。
- 経営層の参加を促す
単に健康施策を提供するだけでなく、経営者や管理職自身が健康活動に参加することが、社員にとっては大きなメッセージとなります。
小さな一歩から始めましょう
健康経営は必ずしも大規模な予算や時間を必要とするものではありません。
中小企業であっても、経営者がすべてを抱え込む必要はなく、適切な分担と外部支援の活用によって効果的に実施できます。
社員一人ひとりの健康が企業の成長を支える大きな要因であることを意識し、小さな成功体験を積み重ねながら、持続的な取り組みを進めていきましょう。
けんこう総研では、経営者の負担を軽減しながら健康経営をサポートするためのプログラムを提供しています。お気軽にご相談ください!