ストレス研究memo
ストレス低減運動とストレス耐性向上運動の違いVol.174
2024年11月30日更新
ストレスを軽減する運動と、ストレス耐性を向上させる運動には目的や効果に若干の違いがありますが、どちらもストレスに対するポジティブな影響を与えます。
今日のストレス研究MEMOブログでは、2つの運動特徴について詳しく説明します。
1. ストレスを軽減する運動
ストレス軽減には、低~中強度の有酸素運動が効果的です。
低~中強度の有酸素運動は、副交感神経活動を促進し、リラクゼーション効果を高め心理的な安定をもたらす運動です。
有酸素運動は副交感神経を活性化し、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を抑制します。
- 最大心拍数の50~60%程度
具体例:
- ウォーキング
- 軽いジョギング
- ヨガやストレッチ
エビデンス
2014年の、中野洋平氏たちが日本理学療法学で報告があります。
運動習慣のない人々は、中等度の運動負荷(予測最大心拍数の60%)でエルゴメーターを用いた運動を行ったところ、運動開始10分後にストレス指標である唾液アミラーゼ活性が減少する傾向が見られました。低~中強度の運動がストレス軽減に寄与する可能性を示唆しています。
特徴
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- 低強度かつ短時間の運動は効果的
心拍数を大きく上げない運動がストレス軽減には向いています。
- 低強度かつ短時間の運動は効果的
メカニズム
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- 副交感神経の活性化
- セロトニンやエンドルフィンの分泌を促進
- 筋肉の緊張をほぐし、心理的安定を向上
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2. ストレス耐性を向上させる運動
ストレス耐性を高めるには、心身を強化し、適応力を向上させる運動が重要です。この目的では中~高強度の運動が有効です。
特徴
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- 適度な負荷をかける運動が重要
身体的な負荷が適度にかかることで、ストレスに対する回復力が養われます。 - 一定の継続性が必要
運動の頻度と習慣化がストレス耐性向上に寄与します。
- 適度な負荷をかける運動が重要
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運動のねらい
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- ストレス耐性の向上には、中~高強度の運動が効果的です。中~高強度の運動は交感神経系を適度に刺激し、ストレスへの適応力を高めます。
- HPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)の調整能力向上
- 心肺機能の改善に伴うストレス耐性向上
- エンドルフィンやノルエピネフリンの分泌によるメンタル強化
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適切な心拍数の目安
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- 最大心拍数の60~80%程度
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適する運動
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- ランニング
- サイクリング
- 高強度インターバルトレーニング(HIIT)
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エビデンス
2012年の日本理学療法学術大会での成田爽子氏らの報告では、健常男子学生を対象に、最大心拍数の50%の強度で自転車エルゴメーターを用いた運動を行った結果、運動前後でストレス指標(唾液アミラーゼ活性や心拍変動周波数成分)に有意な変化は見られなかったものの、ストレス改善の傾向が示されました。これは、中等度の運動がストレス耐性向上に寄与する可能性を示唆しています。
注意点
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- 個人差の考慮: 適切な運動強度や心拍数は個人差があります。自身の体調やフィットネスレベルに応じて調整することが重要です。
- オーバートレーニングの回避: 高強度の運動は、過度に行うと逆にストレスを増加させる可能性があります。適切な休息を取り入れ、バランスの良い運動計画を立てましょう。